-topocrat-


There's lots and lots for us to see,there's lots and lots for us to do,

「うれしげ」を地で行くにんげんが、世の中と自分との距離をはかるために、なにかしら書いていくブログです。

2010年08月

「オイディプス王」

ソポクレス著、藤沢令夫訳。

テイレシアス「ああ!知っているということは、なんという恐ろしいことであろうか―知っても何の益もないときには」

クレオン「賢明な考え方をしているかぎり、悪心などはけっして起らぬもの」

語る言葉に為す業に
おごりたかぶる輩のありて
女神ディケを畏まず、
神の御座を懼れずば、
悪しき運命にとらえられ
凶しき不遜のむくいを受けよ―
げによこしまの利得をもとめ、
不敬の業をしりぞけもせで、
おろかしき瀆神の罪をおかす輩は。
かかるときむなしき力をよし誇るとも
誰ぞ神の矢をふせぎえん。
人の世にかかる所業が誉れなら、
そも何ゆえにわれは踊る?

「終末のフール」

2006、伊坂幸太郎著。

「あと三年しか地球がないかもしれないって時にさ、彼氏も何もないと思わない?」店員さんは作業をやめて、私に笑った。「あの子はこの期に及んでも、優越感に浸りたい性格なんだね」

「優越感」とわたしは発音してみる。

「そういう人間っているじゃない。相手が持っているものにはケチをつけたがるし、幸せそうに生きている人をちくりと刺して、不安にさせて」

「誠子、さっき、そういう意味だったんだ」と気づく。「わたしってそういうの、鈍いんですよねえ」と少し恥ずかしくなる。「そうか、そうだったのかあ」

店員の彼女がそこで、噴き出した。

「どうかしました?」

「いや、あなた可愛いなあ、と思って」と彼女が目を細めた。「見た目もそうだし、雰囲気も可愛いしさ。こう言っちゃ何だけど、さっきのお友達よりよっぽどもてそう」

わたしは何と答えたものかと一瞬躊躇したが、すぐにはっと気づいた。「あ、もしかして今のも、皮肉ですか?」

店員さんが頬を緩める。「違うよ。でも、うん、そうやって疑ってみるのはいいことかも」と籠の向きを変えた。「世の中はさ、いろんな悪意で溢れてるから」

「延長戦に入りました」

2002、奥田英朗著。

さとるせんぱい文庫第4弾。

「多くの人はスポーツ新聞を馬鹿馬鹿しいと思っている。私などははっきりと見下している。10個嘘を書き並べてそのうちの1個が当たれば『本紙既報通り』と鼻の穴を広げる神経は
とてもじゃないが私の美意識とは相容れず、下品な紙面にはいつも眉をひそめている。読むたびに『まったくマスコミときたら』と舌打ちしている。じゃあ読まなきゃいいのにと、自分でも思う。どうして私はスポーツ新聞を読むのだろう。不思議だ。」

あんぼ坂
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