1987、カート・ヴォネガット著、浅倉久志訳。
いい人が、ここに帰ってきた。
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この国のいちばん暗い秘密は、どこかよそにあるもっと高度な文明に自分たちは所属している、
という幻想をいだいた国民が多すぎることではないだろうか。
その高度な文明は、なにもべつの国である必要はない。
過去であってもよい―まだ移民と黒人の公民権でよごされない前の合衆国であっても。
こうした精神状態のため、国民の大多数が、残りの国民に嘘をついたり、だましたり、盗んだりしても、
また、ガラクタや、常習癖のつく毒物や、頭の腐るエンターテインメントを売りつけても平気になる。
結局、残りの国民は、人間以下の原住民ではないか?